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いっき
ファミコン(1985/サン電子)

不可能を可能にする男の物語
いや、子供相手に『いっき』とか言われましても。
なんて当時のファミコンショップの店員さんは思ったものなのかしら。まぁ兎にも角にも、学校で教わる前に『一揆』なんて単語を皆の心に植え付けたサンソフトは、やはり心憎いメーカーなのだなぁ……と遠い目をしてみたり。竹ヤリって実はかなり物騒な代物だよなぁ……と我に返ってみたり。ドラクエの勇者が持つと超弱そうなのにね。
そんなファニーなゲーム『いっき』ですが、実は教科書に書いてあるような『歴史上の事柄としての一揆』からは学べない、大切な大切な事を我々に教えてくれていたのです。それはかつて鉄腕なアトムさんが最期に示してくれた道。それはかつてローラの愛だけを胸に竜王の城へと向かったロトの勇者さんが示してくれた道。そう、この『いっき』の主人公である農民さん、驚くべき事に『単身』で御代官様の屋敷へと乗り込むのです! ……おい、それ一揆じゃないじゃん。とも思う! 確かに思う! しかし! 商売道具であるカマを明日への希望を紡ぐ武器に変え、ダイコンを取って(なぜか)パワーアップし、四方八方から(なぜか)襲い掛かる忍者軍団を蹴散らすその農民さんの姿から、やたらめったら男を感じないか?! 鉄腕なアトムさんやロトの勇者さんが重なって見えないか?! たった一人での反乱ではあるが、この農民さんの脳内ワールド的には正に『一揆』なのである、と。倒れるならば是が非でも『前のめり』に、と。このゲームは我々に教えてくれていたのです! ……多分。……知らないけど。なんか小判とか拾ってるし。神様とか出てくるし。オバケも。ファニー。
えー、僕の記憶が正しければ、『いっき』はアーケード版が先に存在したと思います。残念ながら実際に見た事はないのですが。やはりそこにも不退転な男の姿があった事でしょう。闇雲に。
■読者様によるタイトル予想■
1位 2位 3位 | イーアルカンフー いっき 糸井重里のバス釣りNo.1 イーハトーヴォ物語 インドラの光 怒 いただきストリート いしいひさいちの大政界 イース | 6票 2票 1票 |
※ 読者様によるタイトル予想は終了しております ※
■以上が、2000年に書いたコラム。
■以下、2007年のIKa。
これを書いた当初は、まさかWiiという新ハードで「いっき」をダウンロードして遊べる時が来る、なんて想像もできませんでした。ゲームセンターCXで取り上げられたこともあり、当時のファミコン創成期を経験していない若いゲーマーの方たちにも「いっき」は興味を持たれているのでしょうか。なかなか面白い時代になったものです。
言い方は悪いけど「こんなんで良かった、こんなんで十分遊べた」時代を
是非肌で感じていただきたいと思います。